水星磁気圏探査機みお

[ISAS news] 「ベピコロンボ」水星へ再び接近 ~2回目の水星スイングバイを実施~ (村上)

2022年08月25日

日欧共同水星探査計画「ベピコロンボ」の水星磁気圏探査機「みお」および水星表面探査機(Mercury Planetary Orbiter: MPO)は、2022年6月23日に2回目の水星スイングバイを実施しました。探査機は同日の18時44分22秒(日本時間)に最接近高度198 kmを通過し、その後も目標通りの軌道を航行しています。水星周回軌道投入まで合計9回実施されるスイングバイのうち今回は5回目となります。2025年12月に予定される水星到着までの長い旅路もようやく折り返しを通過したと言えます。


今回も「みお」に搭載されるほぼ全ての観測装置を稼働させ、水星磁気圏や周辺宇宙環境の科学観測を実施しました。観測データは非常に良好で、2022年7月にドイツのダルムシュタットで2年半ぶりに対面で開催された科学チーム会議も各機器チームの報告に大いに盛り上がりました。1回目の水星スイングバイとの比較という観点でも面白いデータが得られており、今後の観測成果報告にご期待下さい。


最接近前後には運用状況を運用室からYouTubeで生配信する試みを若手有志チームとともに実現し、同時接続で最大約550名、再生回数5000回以上と多くの方に視聴頂き、やはり運用イベントはライブならではの臨場感を発信できる貴重な機会だと実感できました。
3回目の水星スイングバイは1年後の2023年6月に予定されています。運用チームはすでに水星到着に向けた運用準備を本格化させており、気の抜けない日々が続きます。水星への旅を続ける「ベピコロンボ」の今後に引き続きご注目下さい。

ISAS_news_497.jpg

図:「ベピコロンボ」2回目の水星スイングバイ時、最接近の約6分後に撮影された水星の姿。推進モジュールに搭載されている2台のモニタリングカメラによって撮影された。水星表面探査機本体や磁力計マスト、アンテナ(HGA及びMGA)が映り込んでいる。(Credit: ESA/BepiColombo/MTM)

Page Top