水星磁気圏探査機みお

[ISAS news] BepiColomboが3回目の水星スイングバイを実施 (村上)

2023年07月27日

日欧共同水星探査計画BepiColomboの水星磁気圏探査機「みお」および水星表面探査機(Mercury Planetary Orbiter: MPO)は、2023年6月20日(日本時間)に3回目の水星スイングバイを実施しました。探査機は同日の4時34分(日本時間)に最接近高度236 kmを通過し、その後も目標通りの軌道を航行しています。水星周回軌道投入まで合計9回実施されるスイングバイのうち今回は6回目となります。

2025年12月に予定される水星到着に向けて長い旅路もいよいよ終盤戦に突入します。
今回も「みお」に搭載されているほぼ全ての観測装置を稼働させ、水星磁気圏や周辺宇宙環境の科学観測を実施しました。スイングバイ前にプロジェクト・機器チームが取り組んだ観測シーケンスやソフトウェアの改善が実を結び、観測データはこれまでのスイングバイの中でも最も良好で、翌週にオンラインで開催した科学チームミーティングも予定時間を大幅に超過する盛り上がりとなりました。過去2回の水星スイングバイとの比較という観点でも面白いデータが得られており、今後の観測成果報告にご期待下さい。


最接近前後には3回に分けて運用状況を運用室からYouTubeで生配信する取り組みを若手有志チームとともに実施し、合計視聴回数9,000回以上と多くの方に視聴頂きました。改めて運用イベント配信がもつライブならではの臨場感と魅力を実感しました。また筆者念願の企画として実現した『機動戦士ガンダム 水星の魔女』からの応援コンテンツも公開され、若い世代を中心に新たな関心層の拡大も進んでいます。
4回目の水星スイングバイは2024年9月に予定されています。運用チームはすでに水星到着に向けた運用準備を本格的に進めており、忙しい日々が続きます。水星への旅路を続けるBepiColomboの今後に引き続きご注目下さい。

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図:BepiColomboの推進モジュールに搭載されているモニタカメラがスイングバイ直後に撮影した水星の姿。MPOのハイゲインアンテナが映り込んでいるほか、今回新たに命名されたマンリークレーターやレンブラント盆地など様々な地形が鮮明に捉えられている。(Credit: ESA/BepiColombo/MTM)

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